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第149話 初めて父に背を向ける①

ผู้เขียน: 花柳響
last update วันที่เผยแพร่: 2026-05-24 06:00:34

 インターホンを押してから、十秒ほどの空白が流れた。

 カチャ、と頼りない電子音がスピーカーから漏れ、直後にガリガリと錆びた金属が擦れ合う鈍い音が響く。重い鉄の門扉が数センチメートルだけ内側へ動き、自動解錠の細かな振動が、石畳を通して靴の裏へと伝わってきた。

 勝手知ったる他人の家のような。そんな奇妙な感覚が、胸の奥をチクリと刺す。

「ずいぶんと大層な出迎えだな。手動でへし折ってやった方が早かったのではないか」

 すぐ隣から、不機嫌さを隠そうともしない低い声が降ってきた。

 少しだけ視線を上げると、黎がウールコートの襟を立て、灰色の空を忌々しげに見上げている。黄金色の瞳には、この空間のすべてを拒絶するような険しさが宿っていた。

「壊したら弁償になりますから、絶対に触らないでくださいね」

「この程度の鉄屑に払う金など、俺の財布には入っていない。すべて塵にするだけだ」

「それが一番困るんです」

 短く言葉を交わしながら、門扉の隙間に手をかけ、ゆっくりと押し開ける。

 ギィ、と耳障りな悲
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